ジブリ配信・認知症アニメ映画 『しわ』 を見た感想とレビュー

認知症アニメ 映画 『しわ』 (三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー)を、新宿バルト9に見に行ってきました。

チケットを1800円で普通に購入して入場したのですが、チケットチェック係の背が異様に低いし、なんか幼いんですね。あれ?と思って胸元を見ると、なんと中学生!職場体験的なことをしていたんだと思いますが、認知症の映画のチケットチェックを中学生が・・・

以前もご紹介しましたが、ジブリ高畑監督のコメントとして、『誰もが無関心ではいられないが、そのくせ、できれば目をそらせていたい老後の重いテーマを、勇気をもって扱っています』 とのこと。 なんとなく期待しつつも、実際映画を見てみると・・・

89分間の映画のあいだ、わたしがずっと考えていた事

わたしの率直なこの映画への感想なんですが・・・・ ぶっちゃけ、よく分かりませんでした・・・ きっと何か認知症について伝えたいことがあるんだろうなぁ~ と思ってみていたのですが、うーん・・・ わたしが唯一感じた事は、『介護施設や老人ホームの豪華さや設備というのは、患者本人のためではなく、患者家族のためのもの』 ということです。

映画のワンシーンで、老人ホーム内にプールがあったりするんですが、実際はだれも使っていない。これは家族や関係者に対して見せるためのもの というシーンがありました。

たしかに家族としては、認知症患者を預ける施設は立派な方がなんか安心・・・そんな気がしてしまいがちです。豪華なエントランス、設備があれば、きっと認知症患者は満足するだろう・・・そう思ってしまいます。でも、入居する本人の立場で考えると、いったいこれってどうなんだろう・・・・ 設備じゃない!やっぱり周りの人やお世話してくれる人たちとのコミニケーションのほうが大切なんだ! そんな事を映画を見ながら思いました。

施設への支払い金額が多ければ多いほど、なんとなく家族としては 『お世話してあげた』 っていう、認知症患者本人には決して伝わらない介護する側の勝手な自己満足が生まれ、それで自分は介護してあげたという達成感を得る・・・

いろんなシーンがあったんですが、わたしはこの事ばかりをずーっと考えていました。うちは祖母が療養型病院に入院しています、母は自宅ですが、いずれ老人ホームへの入居の時期が来ると思っているので、そんな時は自分のブログを読み返そうかと。

認知症や老後の事を考えた事がない方が、この映画を見る事で考えさせられる機会を得る 気づきをもらう というためにはいい映画かもしれませんが、すでに介護をスタートした方にとっては、何か物足りない映画ではないかな・・・とわたしは思いました。

実際に介護している方は毎日がドラマチックなので、映画で起こる事はまぁ・・・ありがちといいますか・・すみません。しつこいですが、あくまで個人の感想ですので、ご興味のある方は足を運んでみてくださいね。

映画『しわ』予告編 – 三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー↓


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか