【認知症治療研究会 in 大阪】どうしても介護家族に見てほしいある動画の破壊力

認知症治療研究会

昨日、第3回認知症治療研究会関西支部 in 大阪で、登壇しました。

朝6時に出て、0時近くに帰宅するという弾丸スケジュールでしたが、約500人ほど集まって頂き、いろいろな出会いもあり、充実した1日になりました。

認知症治療研究会とは?

超高齢社会を迎える現代において、国民皆様が健やかでしあわせな生活を送るために、日本全国で認知症の最新治療が受けられることが必要になっています。そのために、以下の2点が重要です。
1–今まで認知症を専門にしていなかった医師にも積極的に認知症の診察にあたっていただく
2–認知症臨床で得た有益な知識を認知症臨床に携わる全ての方に共有していただく認知症治療研究会は、それらを実現する為に設立されました。

引用元: https://www.jsdt.org/

わたしは会員で、東京・品川で行われる研究会に毎年参加して、認知症医療の現場の話を聞いて、いつも目からウロコ状態です。

年会費3000円払っていますが、決してメディアでは伝わらない、認知症医療の現状の話を聞くことができます。1度講演会に参加すれば、余裕で3000円は回収できる内容です。

わたしの登壇はランチョンセミナー

今回の講演会のメインは、名古屋フォレストクリニックの河野和彦先生であり、埼玉川越にある池袋病院の平川亘先生です。

この研究会は医師の登壇がほとんどで、わたしのような介護家族の登壇は場違いだと思っているので、よっぽどでない限り登壇しません。

ただ、今回は長尾和宏先生と1年ぶりにお話できるのと、特養で介護福祉士でありながら、認知症の知識がハンパない三俣喜儀さんとトークできるということで登壇しました。

いつも登壇者がどんな発表するかはわかっていたので、正直どういう内容にするか悩みました。医師に寄せたプレゼンか、介護職に寄せたプレゼンかと。

結局、中途半端に寄せてもつまらないですし、ランチを食べながらのリラックスモードで自由に話していいとのことだったので、研究会らしからぬ家族の立場の講演にしました。お薬でも介護の話でもない、わたしが大好きな認知症介護のツールの紹介でした。

終わったあと控室で、医師の皆さんから「面白い!」と言って頂きました。これは本当にうれしい!でも、介護職の方は、ナニコレ?と思われたかもしれません。

特に平川先生から何度もお褒め頂き、本当にうれしかったです。工藤さんのツール、あれほしいって。その一言を頂けただけで、十分です。

今日は25分でしたが、いつもは90分で講演しておりますので、大阪で講演することがありましたら、遊びに来てください。今回とは全く違う内容です。

青ざめた長尾先生のキラーパス

わたしは講演会で絶対やらないことが一つあります。それは「わたしのブログを読んだことがある人」という質問です。

イキって質問して、誰もブログを読んでなかったら本当にお寒いので、絶対に質問しないのですが、長尾先生がしれっと「工藤さんのブログ読んだことある人」と。

長尾先生が思っていた以上に手が上がったようで「お~」と言って頂きましたが、わたしは檀上で固まりました・・・ハイ。

介護職の皆さんが、三俣さんくらい認知症のお薬に興味を持ってくれたら、どれだけいいだろうと思います。講演でいつも言うことですが、お薬の処方を間違えていたら、ユマニチュードもへったくれもないです。少しお薬についても学べば、世界は変わると思います。

介護職の立場で、お薬の間違いまで目を配ってくれる・・・そんな特養、そんな介護福祉士のいる施設に預けたい!そう思います。

平川先生の動画は今回も破壊力抜群

今回も平川先生の診察室の様子の動画は破壊力抜群でした。

何も考えずに、抗認知症薬をモリモリ処方する大病院。その処方で車椅子に座って、うなだれる認知症の人とその姿に狼狽する家族。

そんな人を、最短で40分で立たせてしまう先生の動画を見せられたら、ただただ「おー」「へぇー」しか声が出ません。動画に出てくる家族が、一番びっくりしてます。

一方で、いろいろな医師が悪魔の処方を繰り返し、それを信じて疑わない家族がいて、いつまでも認知症介護のネガティブスパイラルに苦しむ・・・泣いて泣いて、また泣いて。

百聞は一見にしかずなので、来年の認知症治療研究会で平川先生が登壇されるようなら、ぜひ自分の目で動画をご覧になってみてください。

お薬の量がほんのちょっと違うだけで、なぜにこんな状態にまでなってしまうのか。

うなだれる認知症の人に、こりゃ効果がないと、追い打ちをかけるように薬を増やす医師。家族は薬のせいなのに、認知症が進行したと思い込み、自分を責め苦しむ・・・。この事実に気づかず、認知症介護を何年も続けている家族は全国にどれだけいるのだろう・・・。

あの動画は認知症介護をしているすべての家族に見てほしいのですが、来年まで待てないという人にはやはり、平川先生の本を読んでほしいです。わたしのバイブルなので、平川先生にしっかりサイン頂きました、やった!

会場でお声かけ頂いた皆さま、あまり時間が取れずに申し訳ありません。また大阪で講演する機会がありましたら、気軽にお声かけください!

そして主催者の皆さま、ありがとうございました。

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6件のコメント

くどひろさん。昨日は、お疲れさまでした。
平川先生の動画は、本当に衝撃的でしたね。
介護家族としてあんな魔法のようなお薬に出会えたらどんなにいいだろうと思いました。
私もくどひろさんと同じで 良さそうと思ったらどんどん試したいタイプですが
リコード法は、いろいろハードルが高くて昨年8月に始めたものの現在は、休憩中です。
くどひろさんの言葉に励まされて またチャレンジしてみたいと思いました。
当事者の夫に糖質制限の大切さをわかってもらうのが大変なのですが
なんとか頑張りたいと思います。
早々のブログアップ 有難うございました。

昨日の大阪での講演に行きました。
エアコンの件で「リモコンを隠して『全自動』と貼り紙をしている方がいる」と言われていましたが、うちもまさにそのとおり実行しています。
私たちの隣に一人暮らしする89歳の認知症の義母。昨年はエアコンをすぐに切り、リモコンを隠すと椅子に乗ってエアコンの元電源を抜いてしまいました。恐ろしい!
猛暑を乗り切る方策に頭を抱えていたところ、クドヒロさんのブログでスマホで操作するエアコンを知り、今年エアコンを替えました。ついでに元電源をエアコンの上に移動して、見えないようにしてもらいました。
日本の夏を一人暮らしの認知症患者はどう乗り切るか・・・本当に切実な問題です。情報の共有は大切ですね。

最近は文字の理解が低下してきているのか、「自動で切れます」のエアコンの貼り紙があっても照明用のリモコンをエアコンに向けてピピッとしています(笑)

平川先生の薬の話も衝撃でした。
義母は初めアルツハイマーと診断され、アリセプト3mg処方でした。すごく効いて元気が出ました。「調子がいいのでこのまま3mgで」とお願いしましたが、保険の関係で5mgに上げた途端に動けなくなりました。
その時その時の状態で薬が増え、訳が分からなくなったので休薬を申し出ました。先生もコントロールに苦労されていたので、すぐに提案を受け入れてくださり、現在は認知症薬の内服はありません。結局アルツハイマーではなく、症状から嗜銀顆粒性認知症のようです。

患者側も勉強が必要だと感じた一日でした。

とらねこさま

ご参加ありがとうございます!

リコード法は確かにハードルが高いですね。実践されている方のブログやサイトを見ても、36の穴を埋めるのは本当に厳しいのですが、いくつかの穴で母にはまれば!と
思って試していますがなかなか・・・。

おじゃるんさま

講演会ご参加ありがとうございます!
そうでしたか!雑誌MONOQLOでも、自動運転ご紹介しました。電源問題ありますよね、コンセントの位置大切です。

提案を受け入れてくれる先生でよかったですね。そのまま10mgにいってしまうお医者さんも・・・。本当に患者側も勉強しないと、えらいことになります。

くどひろさん、日曜日はお疲れさまでした
第3回認知症治療研究会関西支部 in 大阪に参加させていただきました

わたくしですが、
2年ほど前、『おかん、頼むから施設に入所してくれよ!』というお題で介護ブロガーを3か月間ほど?しておりました’たこやき’と申します
現在、介護・障害福祉系の仕事に携わっております

さて、認知症治療研究会の講演は、今回で2回目の参加となりましたが、
河野先生や平川先生のお話をもっと早く聞いていればと後悔の連続でした
また、くどひろさんからご紹介いただきました認知症介護のツールですが、
知らない事ばかりで目からうろこでした
特に財布に取り付けておくブザー(商品名がわかりません 陳謝)ですが、
来週、ご利用者さんへご紹介させていただきます

最後に、大阪でのご講演がございましたら是非お知らせくださいませ
楽しみにしております!

たこやきさま

ご参加ありがとうございました!

そうなんです、河野先生と平川先生の講演は本当に多くの人に聞いてほしいです。わたしの講演は完全に飛び道具講演でしたが、ご興味を持って頂きうれしいです。

講演会に関してはこのブログでいつも告知しておりますので、お時間ありましたら足を運んでいただき、気軽にお声かけください!

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか