認知症の母を寝室で寝かせないまさかの理由を解決した!

母はコロナ禍の1年で、リモコン系の操作が苦手になりました。認知症が進行したなぁと感じる瞬間のひとつでもあります。

エアコンの暖房ボタンをテレビに向けてポチポチやりますし、エアコンに向けて1チャンネルを押します(それでもテレビのチャンネルは替わる)

特にテレビの電源の消し方が分からなくなる日があり、居間にあるコンセントを抜きまくり、電話もネットも遮断され、東京から見守りが一切できなくなったこともありました。

母が寝室のふとんで寝ない4つの理由

母が寝室のふとんで寝ない理由が、4つほどあります。

  1. 電気毛布の電源を入れ忘れ、ふとんが寒いからコタツで寝る
  2. 電気毛布付属のコードの場所が分からず、ふとんが寒いからコタツで寝る
  3. 失禁でまくら、ふとん、シーツが汚れ、処理を忘れて寝る前に気づき、コタツで寝る
  4. 居間にあるテレビの待機ランプが消えないから気になって、コタツで寝る

母はよく、こんなことを言います。

ここのオレンジのランプが光ってて、気になる~

オレンジのランプとは、テレビの待機ランプのことです。

認知症が進行してから、テレビの電源が消える=待機ランプも消える と思うようになってしまいました。待機ランプがついていると、テレビが消えていないと思うようです。ランプが気になるから、寝室で寝ないで、居間のコタツにいるというのです。

確かにわたしが2階の自分の部屋で執筆中も、1階の母がわたしを呼び「ここのランプ、消えないんだけど」と言われたことが何度かありました。また妹のLINEにも、待機ランプの話が書いてありました。

何度も呼ばれたくないし、母には寝室のふとんで寝て欲しいので、対処法を考えこうすることにしました。

待機中ランプを消した

実家にあった余っていた白シールを、黒マジックで塗りつぶして、

白いシールをマッキーで塗りつぶし

待機ランプの上から貼りました。

待機ランプの上から黒シールを貼った

上の写真をよーく見ると、シールが貼ってあるのですが、分かりますか?

待機ランプの意味を分かっているわたしは、あのランプがないと違和感ありありなのですが、母はシールでランプを隠したおかげで、何も言わなくなりました。

認知症介護中のご家族の中で、うちと同じようなケースはさすがにないだろうと思いますが、認知症の方の「そんなとこ、気になるの?」エピソードは、皆さん死ぬほどお持ちだと思います。

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今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか